自分だけの場所:螺湾川とダートの道(北海道足寄町)

日々の忙しさとか人間関係の煩わしさに疲れたら、気分転換にどこかに出かけます。
そんな時私が向かうのは、一人きりで心穏やかになれそうな静かな場所。
主観入りまくりのセレクトだけど、そんな自分だけの場所を紹介します。

螺湾川とダートの道

「螺湾川=らわんがわ」と読みます。
アイヌ語の「ラニ(坂)」または「ラワン(低い所)」に由来するそうです。
螺とはつぶ貝のことですが、この川の名前になぜこの漢字が充てられたのか不明です。

さて、その日私はオンネトーに向かっていました。
足寄で小休止の後、阿寒湖方面への国道をひた走りつつ。

でも国道はちょっと退屈。
ということで途中で道道664号線に進路を変えて近道することに。

そして、オンネトーや阿寒湖を案内する青看(青看じゃない)が見えた時。。。

お?これはもしや。。。

北海道名物「唐突なダート」かあ。

じつはこの道を通るのは初めて。
オンネトーというまあまあ有名な観光地に至る道にしては、すれ違う車が全くいないのはダート区間が含まれるからですね。

このダート道道、車1~1.5台分という狭さだけど、川沿いを緩やかに登るルートで、カーブも少なく運転は結構楽。
新緑の季節だったので、ドライブと森林浴を同時に楽しめるいい道でした。

そして、道道沿いを流れているのが、オンネトーから流れ出している螺湾川です。

小さな流れですが、堤防などの人工物もなく、川のすぐそばまで近づけます。
自然そのまま。

車を停める場所はあまりないですけど、路肩が広いところもあるので、車を止めて小休止。
見上げるとフロントガラス越しに若葉と青い空。

ちょっと外に出てみます。
螺湾川のせせらぎがこんな近くに。

水辺に生えているのはフキっぽいです。
螺湾川沿いでは、ラワンブキという超巨大フキが採れるそうで、足寄の名物になっています。
かの有名な音更ぎょうざにも「ラワンぶき餃子」というのがありましたね。

他にも、山菜があちこちに自生しています。

これはぜんまいかな?

水辺の景色は本当に雰囲気が良くて落ち着きます。
ただし、エキノコックスには要注意。
いくら綺麗だからといっても、川の水を飲むことはもちろんNGです。

静かな場所?

狭いダートということもあり、ここに入ってくる車はあまりないのではないかなと思います。
いちおうオンネトーへの近道だけれど、距離が短いだけで国道周りの方が所要時間は短いですし。

私が川沿いで1時間ちょっと小休止している間も車の通行はありませんでした。
そして、人工物は一切ない山の中。動物や鳥の鳴き声すらないので、本当に静かです。

耳をすませば川のせせらぎと風に揺れる木々の葉音ぐらいしか聴こえません。
ほんとのほんとにひとりぼっちになれる場所です。

ただ、駐車場があるわけでもないので、道路の広めの場所で他の通行の邪魔にならないようにしないとですね。

アクセス

私が小休止した場所は正確には特定しにくいのですけど、だいたい以下の地図の場所です:

足寄まで道東道を使えますので、それほど秘境ってわけでもないのです。
それでも足寄ICから50kmほどあるので、車で約1時間弱かかります。

公共交通機関ではまずアクセスできないでしょう。
足寄まではバスがありますが、その先の足がない。
タクシーで向かうとしても、ダート道に入ってくれるのかな?

大昔に足寄と白糠を結ぶ鉄道の建設計画があり、螺湾地区も経由地に含まれていたそう。
ただ、白糠側が途中の北進まで達した所で工事はストップ。
その途中までの路線(白糠線)も大赤字で廃止されたそうです。

仮に鉄道が全通したとしても、(仮称)螺湾駅からここまでの距離は20km以上はあるので、車以外でのアクセスは難しいですが。

さて、道道のダート自体は狭いものの、カーブや勾配はほぼないので運転は容易いです。
車の汚れを気にしないのなら、このコースはお勧めです。

ただ、冬は通行止です。
ポールがなぎ倒されていることからも、積雪は多そう。

おまけ:この道の先には?

この先には5色に色が変化するオンネトーがあります。

そして、私のその日の最終目的地はオンネトーすぐ近くの野中温泉。
ワンコやニャンコが館内をウロウロしておもてなししてくれる素朴なお宿です。

この写真は5年ほど前のですが、機会があれば別記事にしてみたいです。
あと、久しぶりにお泊まりもしたいですね。