日本の島ガイドSHIMADAS(シマダス)の新刊を買いました

SHIMADAS(シマダス)とは?

私が仕事の都合で関西に住んでいた頃、瀬戸内海の島々を旅する機会に恵まれました。
島国日本といっても、多くの島が集中するのは関西以西の地域。
アクセスの良さもあり、気軽に島巡りができて瀬戸内海はもちろん、九州や沖縄の島々にも足を伸ばしていました。

そんな島巡りのバイブルにしていたのがSHIMADAS(シマダス)という本。
ネット上の情報も便利ですが、日本全国の島を網羅した島の百科事典みたいな本です。

重量級の本で1kgを超えていて携帯性には乏しいけれど、その情報力は半端なく、旅関係の本では自分史上最高ランクのガイドです。

長らく新刊は出なかったが、ついに

ただ私の持っていたのは1998年に初版が刊行されたバージョンで、その後20年以上新版は出ていません。
私は運良く2005年発行の第2版をほぼ定価で購入できましたが、古本市場では高値で取引されていることも多いのが実情です。

島の情報に特化した唯一にしてマニアックな内容なので、コアなファンは多いと思われるもの、新刊を出すほどの需要はないのかなとちょっと諦めかけていました。

ところが2019年11月、シマダスの新刊が刊行されました。
早速購入したのでご報告です。

シマダスの新版

シマダスの新版は旧版と同じスタイルでの発刊となっています。
つまり、1kgを超える重量級アナログ書籍。
kindle等の電子書籍化は一切無しというスタイルになります。

巻頭にはこれまで通りカラー写真で島々の魅力的な風景や歴史/文化を紹介し、メインは1700ページにわたり有人島を中心に全国1750の島々を地図付きでで紹介。
そして巻末にカラー地図で全国の有人島/無人島の位置を紹介しています。

旧版を持っている方なら気づいたと思いますが、基本的な構成は変わらず、巻末のカラー地図だけが目新しいところです。

価格は税込み4400円。
興味のない人にとっては随分と高い価格ですが、島好きにとってはかなり安く感じます。
というのも、圧倒的な情報量と、それを収集するためにかけた労力を想像すれば、この価格で提供してくれることが奇跡的であることは明確だからです。

基本的に「島ガイド」の体を取っていますが、文化/歴史/習俗に関する記述も多く、貴重な文化的史料としても役立つのではないかなと個人的には思っています。
とくに小さな離島は過疎化が急速に進んでいて、このような本での記録は時が経てば貴重なものになると思われますし。

ともあれ、旧版を持っている方はもちろん、少しでも島に興味のある方ならマストアイテムと言えるでしょう。

シマダスの旧版と新版を比較

さて、ここからはシマダスの新旧両版を比べてみます。
たいして変わってないといいつつ、マイナーチェンジはあるようでしたので。

まず本のサイズです。緑が旧版、青が新版です。
ご覧の通り、新版の方が若干大きめです。

また、後で触れますが、巻末にカラー地図が追加されたことにより、新刊の方がその分だけ厚くなっています。

重量は以下のとおり:
旧版:1090g
新版:1230g

ますます重量化に拍車がかかって、存在感(物理)が大きくなったと思います。

価格は3000円(税別)→4000円(税別)に変更。

巻頭の島の区分地図は新旧共に変更無しです。
以下は旧版:

以下は新版:

そして、島ごとの解説も基本的な構成は同じです。
ただし地図に関しては新版では、視覚的な立体感を重視したデザインが採用されています。

例として、私も訪れたことのある愛媛県の津和地島のページを見てみましょう。

まず旧版の地図:

そしてこちらが新版の地図:

新版の方が地形が想像しやすい仕様になっていると思います。

ところで、この津和地島は昔は中島町の一部だったのですが、今は松山市なんですね。
小学校も休校中になってしまって、自然は変わらなくても人の営みや社会は変化するのだなあと実感します。

だからこそ、シマダスのような書籍が史料として大事な役割を果たすと思うのですが。

さて、最後に巻末のカラー地図についてです。
これは新版で新規導入された機能で、以下のようなページです:

有人島を赤、無人島を青で示し、全国の島を網羅しています。
旧版ではこのようなまとめ情報はなかったので、実に便利な地図です。
これを眺めているだけで1~2時間なんてあっという間です。

といったところが新旧の違いです。
旧版を踏襲しつつ、視覚的な理解度を深めるための改訂がなされていて進化しています。
また、本文も情報は刷新されていて、旧版のコピー&ペーストではないところに、新版作成にかける気合いと執念を感じました。

シマダスの購入について

さて、私がベタ褒めしたシマダスですが、一般書店ではなかなか目にすることはないかもしれません。
何せニッチな需要ですから。

となるとネット書店に頼るしかないのですが、個人的にAmazonはお勧めできません。
というのも、Amazonでは2019年12月現在、Amazonでは転売ヤーによるぼったくり商品しか出ていないようですので、定価で購入することができないからです。

定価で購入するなら、全国官報販売協同組合やhonto.jp(ジュンク堂書店のオンライン版)などで注文するのが良いでしょう。

それから、私のこのブログではアフィリエイトはしていないので、その他の情報についてはgoogleとかで「SHIMADAS 2019」とでも検索してみてくださいな。

すこしお値段はお高めですが、島好きのための渾身の作品であるシマダスをぜひ手にとってもらいたいと、いち島好きの願望でした。