宮古南静園とは?
全国に点在するハンセン病療養所の一つで、日本最南端にあるのがここ宮古南静園(南静園)です。
米軍のCampなんとかって感じの門構えです。
でもシーサーはしっかり鎮座しています。
君たちは本当に沖縄中どこにでもいるんだねぃ。
ハンセン病療養所とは、ハンセン病から回復した元患者が暮らしている施設で、現在進行形でハンセン病の治療が行われている施設ではありません。
(そもそも今の日本でハンセン病の発症は年間一桁、さらに日本人の発症者は0〜1名)
ではなぜ療養所に残っている人がいるかというと、外の世界に戻るには難しい偏見や差別が残っていることが主な理由でしょう。
世代や受けた教育によって様々な考え方があり、100% welcomeと受け入れられるほど単純な問題ではないわけです。
この辺りの話は長くなるので割愛します。
ハンセン病に関する知識は東村山にある国立ハンセン病資料館が網羅的に解説しているので、そこを訪れるのが概要の学習には手っ取り早いと思います。
ここ南静園も他の療養所と同じく、施設全体で一つの世界を形成しており、ここから出ることなく生活が完結できるようになっています。
とはいえ、昔と違って隔離されているわけではなく出入りは自由。
地域住民の外来診療も受け入れている(これは珍しいよう)のです。
自由に出入りができるというのは偏見を減らすのに役立つのですよね。
東村山の多摩全生園(という療養所)も居住区以外は立入自由で、ジブリの宮崎駿監督もお気に入りの場所らしいですし。
小難しいことはともかく、近づくだけでも良しだと思います。
ハンセン病歴史資料館
国立ハンセン病資料館が多摩全生園に隣接しているように、「療養所+資料館」セットは結構あるようです。
といっても他の療養所に入ったことはありませんが。
入館料は無料。
にもかかわらず立派な80ページぐらいの冊子をもらえました。
東村山の資料館ではこんなの貰えなかったですけど。
寄附Boxとかなかったけどタダでもらっていいのかなあ。
館内は撮影禁止なので写真はありません。
展示内容は網羅的なものというよりは、入所者の生の声を大事にした展示だったかなという印象。
動画によるインタビューとか、文字に書き起こしたものなど。
だから東村山の資料館よりずっと生々しいです。というか悲しくなります。
戦前のカルテも展示されており、その内容を読んでいるうちに、医療技術の進んだ現代日本に生まれて本当に運が良かったと心底感じました。
しかも国民皆保険。
ただ、ハンセン病関連の新聞記事の切り抜きを長期にわたって収集されていて、それを時系列に沿って読んでいると、現代に近くなるほど人権的にずいぶんマシになったんだなあと実感できます。
そこはちょっと救いですね。
予想より見応えありでした
ポタリングのルート上だからちょっと立ち寄るか、と軽い気持ちで見学しましたが、思いの外濃い展示で、2時間ちょっと滞在してしまいました。
ここで暮らしている人が穏やかに過ごせることができますようにと、願わずにはいられないひと時でした。
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