宮蘭航路とは本州と北海道を結ぶフェリーの一つで、岩手県の宮古市と北海道の室蘭市を結んでいます。
運行会社はシルバーフェリーで2018年6月22日に運行を開始しました。
(上のルート図の緑のライン)シルバーフェリーのサイトから引用。
八戸寄港は2018年10月以降。
シルバーフェリーは八戸と苫小牧を結ぶフェリーを4便運行していて、これは本州〜北海道の貨物輸送におけるドル箱ルートになっています。
(上のルート図の赤いライン)
宮蘭航路は既存のルートとかぶるようなルートですので当初から苦戦を強いられていて、とくに貨物輸送が低迷していたようです。
フェリーはトラックやシャーシなどの貨物輸送が収入の柱で、乗用車はまだしも徒歩客はまるで儲からないので、貨物輸送の低迷は致命的だったようです。
この宮蘭航路は所要時間が10時間を超えており、トラックドライバーの休息時間が十分に取れるので、そこを狙った航路だったともいわれています。
(ちなみに、八戸〜苫小牧航路の所要時間は7〜8時間)
トラックドライバーの労働時間の規定に関しては調べれば調べるほど面白いのですが、本筋から外れるのでこれぐらいにします。
そもそも宮古へのアクセスは三陸沿岸道ですが、これは最近ようやく全通したばかり。
しかもほとんどの区間が対面通行です。
東北道に抜けようにも相応に時間はかかります。
たいして八戸までの東北道〜八戸道ルートは距離は長くても全部4車線です。
所要時間に大きな差が出にくいように思うのですがどうなんでしょう?
室蘭も苫小牧より西に位置しており、荷物の起点にもよりますが、地理的に不利じゃないかなと素人ながら思います。
シルバーフェリーも手を拱いていたわけではなく、航路開設からわずか4か月で南下便は八戸寄港としてして需要を喚起しようとしています。
ただその効果もなく、2020年3月末をもって宮古寄港を休止することになりました。
私はこの航路は気になっていて、いつか乗りたいなあと思っていたら「もう休止?」というスピード展開だったので今回乗りに行ったわけです。
今までの経験から休止=廃止と思って間違い無いですからね。
時刻と運賃はシルバーフェリー公式サイトでは以下の通りでした:
南下便が宿代わりに使える夜行便、北上便は景色を楽しめる昼行便です。
昼行便はとくに貨物では苦戦しただろうなあと想像します。
今回私が乗船したのは室蘭→宮古の夜行便で、2等寝台Bにしました。
消灯してベッドで横になれるので、宿泊と移動が同時にできると考えればかなり安いと思います。
まあ徒歩乗船の安さはフェリー全般にいえることですが。
ちょっと偏った考え方ですが、我々徒歩客はトラックドライバーという上客が払った大金のおかげで安く乗せてもらってるという感じだと思います。
そんなトラックドライバーに見放されてしまった宮蘭航路。
航路がなくなるのは寂しいのですが、それでもこの需要で航路を維持するのはやめたほうが良いと、フェリー好きの私でも思ってしまいます。
というわけで札幌出張とセットで、帰路に室蘭から宮古まで乗船してきました。