電車やバスで行く北関東オートレストラン巡り1/3:オレンジハット新町店

オートレストラン。
未来的な言葉の響きとは真逆の昭和空間。
自動販売機によるドライブインのことです。

そこでは昭和生まれの自動販売機がそばやうどん、熱々のトーストを販売中。
おもに地方のロードサイドに辛うじて生き残っているのですが、車がないとアクセスしにくいところがほとんどです。

今回は北関東にあるオートレストランのうち、電車やバスなど公共交通機関で訪ねることができる三店舗を巡ってきました。

オレンジハットとは?

まずオートレストラン界を語るうえで外せないオレンジハットについて簡単に解説です。

帽子に髭のイラストがトレードマークのオレンジハット

コンビニなどがなかった時代に一世を風靡したオートレストラン界のレジェンドです。
運営は伊勢崎市の株式会社ミトミが行っているようです。

かつては多くの店舗があったようですが、2020年2月現在では群馬県内に4店舗が残るのみ。

他に赤城山の麓にオレンジ353という仲間のような店もあったり、元オレンジハットかと思われる店もあるのですが、公式情報どころかwikiすらないのでたしかなことは言えません。

店舗は基本ゲーセン+自動販売機という作りで、オートレストランが主体というわけではないです。
コンビニもイオンモールもなかった頃、昔の若者はドライブ中の数少ない休憩施設として利用したんでしょうなあ。

今はかつての勢いはないけれど、一部のコアなファンの間では有名。
それがオレンジハットなのです。

外観

オレンジハット新町店は八高線の北藤岡駅から徒歩3分という、車社会群馬では奇跡的な好アクセスを誇ります。
国道17号線沿いにたまたま駅があったというのが実情だと思いますが。

車だと東京→高崎方面への車線からが入りやすそうです。

駐車場は山田うどんと共用ぽいのですが、トラックも停車できるほどにゆったりしています。

日曜の朝7時過ぎなんですが、結構お客さん来てるみたいですね。
でも半分は山田うどんのお客ぽかったですが。

自動販売機

ではメインの自動販売機を見てみます。
いわゆるレトロ自販機としてはそば・うどんとトーストの2種が稼働中です。

その他のフード系はカップヌードルやおつまみ系の現代的な自販機です。

同じ並びの反対側には飲料自販機がずらりと並びます。

こちらは高速のSAと変わらない平凡な品揃えです。
まあ奇抜な品揃えだと飲むものがなくて困るんですが。

そば・うどんの自販機で提供しているのはラーメンと天ぷらうどんの2種類(どちらも330円)。
トースト自販機では「ハム」と「第二弾夏辛トースト」(どちらも220円)を提供中。

今は夏でもないけど第二弾まであるということは人気メニューなんでしょうか?
気になるけれど、朝イチでお腹も空いていたのでラーメンを食べてみることにします。

ラーメンを購入

というわけでそば・うどんの自販機にコインを投入。
使えるのは100円、50円、10円のみです。
この自販機が全盛期の頃は500円玉は存在しなかったのですね。

硬貨が機械の中に落ちる音はすれど、投入金額の表示が出るわけでもなく、330円を入れ終えたら不安になりつつラーメンのボタンを押します。

すると「できあがりまで」にニキシー管の残り秒表示が出てきた!

できあがりまで30秒ぐらいだったかな?
めちゃくちゃ早いです。

スープが表面張力で盛り上がってるほどになみなみで、テーブルにこぼしてしまいました。

具材はナルト・チャーシュー・メンマ。
最初から麺の上に乗っていました(自販機では底に隠れているパターンもあるらしい)。

麺は簡単にほぐれたのでずるずるいただきます。
味は、うーむ、スープが生温くて麺はソフト麺かな。
チャーシューがやたら肉厚で美味しい。

比べるものではないけれど、200〜300円のカップラーメンで美味しいものはたくさんあります。
多分スープが温かったからちょっと残念だったのかもしれないです。
機械の調子もあるので、何回か食べてみないといけませんね。

とはいえ朝ごはんとしては全然OKです。
わりとあっさり系なので食べやすいですし。

ところで、スープはどうすれば。
普段ラーメンのスープは飲みきらないのですが、ゴミ箱には容器だけ捨てろと書いてるし、飲み残しを捨てる場所もないですし。

さすがにスープをここに捨てるのは迷惑ぽいので飲み切ることにします。
薄味&温くて良かったけど、思わぬところで満腹になってしまった。

ちなみに上に灰皿が写ってますが、ここは全面喫煙です。
私は吸わないけれど、喫煙者にとってはパラダイスですね。
タバコの匂いは入ったときに微かに気になる程度ですが、これは個人差があるので神経質な人にとっては耐え難いかもしれないです。

お店の中の様子

さて、食うもの食ったので店の中をぶらぶらします。

食事のできるテーブルはこの2つだけで、もちろん喫煙可能です。

日曜の朝早くからおっさん数人がゲームに興じており、独特な雰囲気です。

男の世界なのでえろいDVDとかもクレーンゲームで提供中。

大人のおもちゃ?とかは取りやすそうですね。

自販機もレトロなんですけど、ゲームもレトロですねぃ。
私にはちょっと分からないのが多いです。

ゲーセン自体にほとんど行ったことがないので、どうやって遊ぶのか分からない。

でも見てるだけでも面白いです。
美術館的な楽しみ方。

筐体の裏側も公開中。
えろいゲームの心臓部はこんなふうになっていたのですね。
左右が顔に見える。「∵」シミュラクラ現象ってのでしたっけ?

トイレは外のようですが、中には洗面台がありました。
さっきラーメンの汁をこぼしたとき、自分のタオルでテーブルを拭いたので、タオルを洗えて良かった。

ゲームの景品が独特の趣味で面白く、というかなかなか豪華です。

食べ物系はまあ普通なのですが、どこでこういうの見つけてきたの?でも欲しいなあというものもあります。

1等賞は有名なブランドなのかな?詳しくないので価値がわからないのですが。

中はそんなに広くないし、ゲームしないで食事だけなら30分も滞在すれば十分かなあという感じです。
あと、女子一人では厳しいかなあって雰囲気ですね。

私が出るときにカップルが来店しましたけど、来るなら男連れてくるか女子会ついでに来るのが良さそうです。
吉野家や松屋の上位互換的な男の世界なので。

オレンジハット新町店へのアクセス

八高線の北藤岡駅から徒歩3分。

ただ、八高線は電車の本数が少ないので要注意です。

駅もこんな感じでホームが半面しかないですし。

それから、電車電車と連呼してますが「電車じゃねえ」と電車警察に突っ込まれそうなので、言い訳したほうがいいかな?
ここには電車はやってこずディーゼルカーしかやってこないです。

高崎駅の端っこ3番線からこんな感じの電車もといディーゼルカーで2駅、10分の旅です。