すむたび in 神戸:蕎麦と名画座とドムドムの休日

住むような旅をするのが私の好きなスタイル。
旅といっても全国津々浦々、普段と同じ過ごし方でくつろいでいます。

しかし、神戸は実際に2年間ほど住んでいた街。
他の旅先に比べて思い入れも深いし、より「住んでる」感の強い過ごし方になります。

今回はそんな神戸在住時代に通っていた映画館を中心にして、休日のルーティンを再現してみました。

ドムドムで朝食を

まずやって来たのはドムドム湊川店。

全国的にその数を減らしているのですが、ここはしぶとく生き残っています。

神戸在住時代は甘辛チキンバーガーをよくオーダーしてたかな。
この日は遅めの朝食に「丸ごと ! ! カニバーガー」なんてのをいただきます。

バターコーンのセットで1350円。
お値段パワフルですけど、今回は旅先だからまあいいか。
カニは香ばしくて柔らかくて、バンズの味を邪魔しない、キワモノぽいけど極めて美味でした。

朝9時半なんだけど、近所の住人で半分ぐらい席は埋まってます。
勢力減退気味のドムドムだけど、ここはみんなに愛されているようで安心です。

下町の大きな商店街の一角に位置しますので、活気には事欠きませんし、末長く続いて欲しいものです。

パルシネマしんこうえん

お腹も満たされたところで、歩いて5分のところにある名画座へ。
2本立てで1300円という、当時お金がそれほどなかった私にとっては、コスパ抜群の娯楽でした。

ロケーションが独特で、大通りを跨ぐ形の公園の下に位置していて、入り口はミナエン商店街という飲み屋街の端っこ。

酒を飲まない私にとって、ミナエン商店街とやらは一生縁がなさそうだけど、こういう雰囲気は好きです。

朝一番の開演の30分前から開場しているので、その時間に合わせて入場。
手作りの上映作品案内などをもらって、席に着きます。

私は作品にこだわりはなくて、その時上映されているので楽しめれば儲けもの、ぐらいの気持ちで観に来てます。
自分で作品を選ぶと、どうしても似たような傾向になりがちなので、名画座のようにお任せで魅せてくれる映画館は結構気に入ってます。

なにしろ、名画座の雰囲気がいいですね。
キラキラしすぎず、映画好きなオーナーが選んだ作品をくつろいで鑑賞。
イオンシネマにはない雰囲気です。

都会にはこういう映画館があって、田舎住まいの私にとっては羨ましいです。

松濤庵で上天そば

朝の10時半から2本立ての映画を鑑賞すると、終わったのは15時ごろ。
お昼は食べていないので、腹は空いているものの、中途半端な時間なので重いものは食べたくない。

そんな時に立ち寄るのが、パルシネマから徒歩2分の松濤庵。

私がこの店を訪ねるきっかけになったのが、「神戸在住」という漫画に登場する「布引庵」という蕎麦屋。

東京出身の主人公の弟が「こっち(関西)の蕎麦って薄味だよなあ」と評していた蕎麦屋で、私も気になっていた店。
もちろん、松濤庵のモデルとなった店なのか不明だけど、場所がちょっと大人な街という描写で、多分ここではないかと勝手に思い込んでいるだけです。

下の写真の左に「福原町」の青看が見えますが、ちょうど出勤中の嬢もちらほら。
そんなエリアの入口付近の蕎麦屋です。

中が見えないので入りにくいかもしれませんが、ここもドムドム同様、地元民に愛されているお店です。
うどん王国関西なのに、蕎麦で生き残ってるのですから、実力は折り紙付きかと。

メニューがバラエティに富んでいて、リーズナブルな価格。本当に迷います。
蕎麦屋だけど、全部うどんにできるところが西日本らしいかも。

それにしても見慣れないメニューがちらほら。
2年ほど神戸にいたので、木の葉丼やけいらん、おかめは分かるのですが、「花巻」ってなんだろう?

楽しいメニュー迷いもそこそこに、私は上天ぷらそばを注文。

プリプリの大ぶりの海老が2尾、ででんと鎮座しています。
出汁はたしかに淡い色なのですが、昆布のこくが強くて、力強い味。
けっして薄味なわけではないです。

こくを醤油で出すか昆布で出すかの違いかなあ、と素人なりに感じます。
このビジュアル的に頼りない色の出汁ですが、慣れると「これも蕎麦のスタイルだ」と感じるようになるんですよね。

店に入って時は私一人だったけど、マシンガントークのおばちゃんや、常連のサラリーマンぽいお客さんがポツポツやって来ます。

ちなみに、場所柄か全席喫煙なので、食事中の煙を気にする人にはお勧めできないですね。
私はその辺りどっちでも良いので気にしませんが。

お会計とまとめ

蕎麦を食べ終えるともう4時前。
冬の日は短いですし、宿に帰るとしましょう。

この日使ったお金は:
ドムドム:1350円
映画2本だて:1300円
蕎麦:950円
合計:3300円

1日楽しんでこれだけの費用だから大満足。
古きよき神戸スタイルを楽しめるおすすめコースです。

今の神戸の中心は三宮駅〜元町駅のエリアですが、その昔は神戸駅〜新開地駅、つまり今回ブラブラしたエリアに程近いところ。

昔の賑わいはありませんが、そんな華やかな頃の雰囲気が微かに残る街並みを散策するのもお勧めです。