駅名に「富士」がつく駅から眺める富士山選手権(静岡県1/3)

日本のシンボルにして世界遺産である富士山。
国内最高峰だけあって、静岡県や山梨県はもちろんのこと、もっと遠くからも眺めることができます。

それもあってか全国各地には「富士」が含まれる地名があちこちにあります。
その理由はその場所から富士山が見えたからでしょう。

ということで、全国に散らばる鉄道の駅のうち、駅名に「富士」が含まれる駅を訪ねて、富士山の眺望がどれほど素晴らしいか確かめてきました。

今回は静岡県の駅を訪ねました。
静岡県内の駅で名前に「富士」を含むものは8つ。
2位以下に大差をつけてさすがの貫禄です。

数が多すぎるので、3回に分けてご紹介します。

富士岡駅(JR御殿場線)

富士山の南東から眺めることのできる駅。
この辺りの中心地の御殿場から沼津寄りに2駅に位置します。

住宅街の中にある長閑な駅ですが、ホームからは遮るもののない絶景です。

すそ野を横切る高速道路がやや残念ですが、十分雄大な姿だと思います。

ところで、駅のホームからでも十分な眺めですが、線路の沼津寄りの踏切付近に展望スポットがあります。
駅から徒歩5分なので行ってみましょう。

踏切をわたってジグザグの道を登ると線路に並行して長細い土手が見えますので、ここが展望スペース;

そして、上の写真のベンチからの眺めがご覧の通り:

駅のホームよりちょっと目線が高いだけでかなり印象が変わりますね。

2つ前の写真で気づいた方もいるかもですが、この展望台は元々線路が敷かれていたのですね。
おそらくスイッチバックの跡地だと思います。

この辺りは線路の勾配が大きいので、今の駅の位置では坂道すぎて列車が止まれないので、水平な場所を作って線路を引き込んだのでしょう。

現在の駅ホームから展望台方向を眺めると下り坂だということがよくわかります。

富士山の眺望とかつての駅の姿が垣間見える富士岡駅。
電車の本数も1時間に2本ほどあるので、気軽に訪ねることができます。

岳南富士岡駅(岳南電車)

東海道線の吉原駅からにょろんと伸びている岳南電車。
1両のかわいい電車にコトコト揺られること15分。

さきほどの富士岡駅と名前は同じでもずいぶん雰囲気の違う駅です。

こちらの駅はなんといますか、古いものをとことん大切に使い続けている感じで、初めてなのに愛着を感じる雰囲気です。

小さなホームからは、もちろん富士の勇姿。

ここは車両基地を兼ねているので、岳南電車の電車や機関車、そして貨車と富士山のコラボが実現します。

この駅の素晴らしさは富士山もなのですが、駅舎自体にもあります。
こじんまりとした待合室からは窓越しに富士山が眺められます。

待合室内には様々な掲示物があり、電車待ちの時間も退屈しないでしょう。
窓口の作りも手作り感いっぱいで、ついつい目が惹かれます。

岳南電車に乗っていて薄々気づいていましたが、全駅から富士山が見えるのですね。

1日フリーきっぷが720円だったはずなので、今度やってみようかな。
電車の本数も1時間に2〜3本あるので結構便利です。

さて、思いの外最高だった岳南富士岡駅ですが、あと一つ、電車好きな方にはたまらないものがあります。

それは駅の東側にある電鈴式踏切警報機。
「チリンチリン」という珍しい警報音の踏切です。

私は事前知識なくきたもので、警報音がなって初めて「あれ?」となって調べてみました。

古くて大切に使われている駅や電車たち。
そして珍しい電鈴式踏切。
もちろん富士山も。

一駅でお腹いっぱいの岳南富士岡駅は個人的に一押しの富士山眺望駅です。