駅名に「富士」がつく駅から眺める富士山選手権(東京都)

日本のシンボルにして世界遺産である富士山。
国内最高峰だけあって、静岡県や山梨県はもちろんのこと、もっと遠くからも眺めることができます。

それもあってか全国各地には「富士」が含まれる地名があちこちにあります。
その理由はその場所から富士山が見えたからでしょう。

ということで、全国に散らばる鉄道の駅のうち、駅名に「富士」が含まれる駅を訪ねて、富士山の眺望がどれほど素晴らしいか確かめてきました。

今回は東京都の駅を訪ねました。
東京都には駅名に「富士」がつく駅は3つ。
静岡県に次いで多いのです。

いずれもその地から富士山が望めることに由来するのですが、それも昔のこと。
ビルや住宅が密集する現代において富士山の眺望は残されているか気になります。

富士見ヶ丘駅(京王井の頭線)

富士山を縦に半分に割ったような駅舎が特徴的な富士見ヶ丘駅。
住宅街の中に窮屈そうに位置していますが、「丘」と名がついているぐらいですから、眺望に期待が持てます。

駅ホームは両側を建物に挟まれて眺望はまったくありませんが、2階にある改札内にはガラス張りのスペースがあり、遠くまで見渡せます。

ただ、ここからは遠くに奥多摩の山並みがうっすらと見えるぐらいで、富士山は影も形もなし。
空気が澄んで快晴の余程条件の良い天気でないと難しいかもしれません。

駅周辺で少し高台になっている高井戸公園からならどうでしょう。
ゲートの名前に富士見丘口とありますので、少し期待できます。

こちらもやや霞がかっており、富士山は見えません。
大気汚染著しい都内からでは富士の眺望は至難の技なのかもしれません。

ところで、駅舎の形や公園の入り口の名前など、富士山を連想させる物が多いことが気になっていたのですが、駅のそばを流れる神田川沿いの遊歩道にも富士山をモチーフにしたタイルが。

富士山を見ることはできなかったけど、ここが富士山と無関係ではない街であることが慎ましやかに主張されていて、これもまた良いものだなあと感じました。

中野富士見町駅(東京メトロ丸の内線)

中野坂上から分岐している丸の内線の支線。
その終点の一つ手前が中野富士見町です。

地下鉄なのでホームは地下。
改札内からも眺望はありません。

駅舎のすぐそばには「富士見橋」という橋があり、少し眺望がひらけていますので、そこから眺めてみましょう。

コンクリートの護岸にガチガチに固められた風情のない川ですが、私にとってはなぜかほっとする風景です。
水辺の風景というのは案外大事なのかもしれませんね。

さて、橋の真ん中からの眺望はご覧の通り。

これは空気が澄んでいたとしても富士山を眺めるのは難しそうですね。
もともと起伏のある地形に、マンションなどの高層建築があり、空が狭いです。

でも、上の写真の左のマンションからなら、富士山は眺められるのかもしれません。
なにせ「富士見」の地名があるぐらいですから。

富士台駅(西武池袋線)

こちらは練馬区にある富士見台駅。
西武池袋線の駅で、ホームは高架上にあるため眺望は良さそうなのですがどうでしょう?

ホームの所沢寄りの端っこに来てみましたが、かすかに秩父連山のシルエットは浮かんでいるものの、空気が澱んでいるためかぼんやりしています。

肝心の富士山方向の眺めは、線路沿いの建物群に遮られて絶望的。

富士見「台」という地名から、周囲より高台にあることは間違いないのですが、住宅密集地ということもあって、富士山どころか高尾山すら目にすることは難しそうです。

最初の写真は駅の北口でしたが、富士山が見えやすい南口の様子はこちら。

昔ながらの街並みって感じで新鮮。
都内はこういう街がそこここにあって、ノスタルジーを感じることができます。
富士山関係ないけれど、これはこれで良いですね。