元祖チ・カ・ホについて
札幌市の売りといえば、観光客にとっては美味しい食べ物や雪まつりに代表される冬景色ですが、地元民にとってはなんといっても「チ・カ・ホ」でしょう。
札幌駅前地区〜大通地区を直線でつなぐ全長680mの札幌駅前通地下歩行空間(愛称:チ・カ・ホ)のことです。
チ・カ・ホの下には地下鉄南北線が通っており、さっぽろ駅〜大通駅は1駅2分で移動できます。
徒歩だと15分弱で歩ける距離。
しかし地上を歩くと信号に引っかかり、冬は悪天候になることも多く、チ・カ・ホは大いに歓迎され利用されています。
ただの地下歩道と侮ることなかれ。
下の写真のように幅広のスペースがとられていて、日替わり・週替わりで出店や展示などが行われていて、歩いているだけで楽しい空間になっています。
また、照明は淡い暖色系で統一されていて、優れたデザインと相まって、上質な雰囲気となっています。
近接するビルへのアクセスはもちろんのこと、札幌駅前地区〜大通地区の回遊性の向上にも寄与しており、さらには冬季のウォーキングに利用されるなど、100点満点の事業といえるでしょう。
ここにチ・カ・ホ2があればなあ
さて、最初の地図を見ていて思ったのですが、個人的にここがつながれば便利なのになあと思う箇所があります。
それが下の地図の青い点線の部分です。
この地図は上が札幌駅エリア、下が大通エリアで、ピンク色が地下街や地下歩道を表しています。
青い点線の北端は地下鉄東豊線のさっぽろ駅、南端は創世スクエア、距離にして300m足らずが途切れています。
大通エリアの地下街から創世スクエアまでは西2丁目地下歩道と呼ばれ、2018年に開通した部分です。
チ・カ・ホに比べると簡素ですが落ち着いた雰囲気ですね。
人も少なくて静かなので、このまま地下で札幌駅まで歩ければいいのにと思いますが、人の流動が少ないから延長はされないんでしょう。
ただ積雪期はやはり地下歩道が欲しいなあと思ってしまいます。
未開通部分を歩いてみよう
さて、唐突ですが青い点線(地上区間)に沿って歩いてみましょう。
ここは西2丁目地下歩道の終点(北端)。
正面右側に出口があり、創世スクエアへ直結しています。
エスカレーターを2回乗り継いで地上レベルに上がると、高い天井で気持ちの良い空間を北上します。
そして出口の外は交差点すぐそば。
あの交差点を右方向に渡って直進、もう一つ信号を渡ると地上区間は終わりです。
上の写真の交差点を南から見た眺め。正面やや左の高いビルがJRタワー(札幌駅)です。
この日は雪も少なくて天気も良いのですが、路面がスケートリンクの時や悪天候の場合、短い距離とはいえかなり辛いです。
さて、信号を二つ渡って見えてくるのが壁が緑色のビル。
その奥(隣)に地下への入り口があります。
クロネコさんのそばで案内もなくて分かりにくいのですが、ここから降りるのが東豊線さっぽろ駅への近道です。
こちらはエスカレータもなく、つづら折りの階段を下ると地下鉄の案内が見えました。
あとは案内に従えば地下鉄・JRの札幌駅にたどり着くことができます。
地下歩道は延長されるのか?
札幌の中心エリアに地下歩道を整備して回遊性や近隣の建物との接続を高めようという動きは盛んで、行政でも継続的に議論されているようです。
過去には「都心部における地下歩行ネットワーク検討委員会」なる会合が開催されており、札幌市を取り巻く状況はもちろん、全国の同様の事例も参照しつつ、あれこれ検討されているようです。
そして今回取り上げたチ・カ・ホ2に関しても実は検討されています。
以下は第5回会合での配布資料ですが、②西2丁目(北1〜3)として検討エリアとして記されています。
引用:第5回検討委員会 配布資料
しかも想定される歩行者数は、検討エリア中1番目に多く、需要だけを見れば優先されるのでは?と期待してしまいます。
ただ、多いといっても既存のチ・カ・ホの半分の流動で、建設費も高騰中の昨今の状況ではあまり期待しないほうがよいかもしれません。
また、2030年開業予定の北海道新幹線関連の再開発が優先されそうですので、そちらが一段落してから再度検討という流れでしょうか?
実際地上部分を歩く距離は、創世スクエア内を通路として利用できるおかげで200m程度。
あればいいなという程度で気長に待ちましょう。