自分だけの場所:大瀬崎灯台(長崎県五島市)

日々の忙しさとか人間関係の煩わしさに疲れたら、気分転換にどこかに出かけます。
そんな時私が向かうのは、一人きりで心穏やかになれそうな静かな場所。
主観入りまくりのセレクトだけど、そんな自分だけの場所を紹介します。

大瀬崎灯台とは

長崎県の西の海上に点在する五島列島。
そのうちの福江島の西端にとある灯台があります。
それが大瀬崎灯台です。

2時間ドラマで船越英一郎氏が犯人を追い詰めてそうな、絵に描いたような断崖です。
東シナ海に突き出した断崖の端っこに位置しており、眺めるだけでも満足なのですが、実は徒歩でアクセスすることも可能です。

灯台に一番近い駐車場から片道徒歩15分ほど、このような椿の森を抜けていきます。

福江島は椿が有名ですからね。
遊歩道はひたすら下りなので楽ですが、帰りがちょっと大変そう。

鬱蒼とした森を歩くこと10分。前方に海面が現れます。

こっちは椿の密林で、すぐ向こうは大海原。
このギャップが好きな人いるんじゃないかなあ。

そして、パッと視界が開けて灯台が目の前に現れます。

大瀬崎に何箇所かある展望スペースから見える灯台はちっぽけなもので、どちらかというと険しい断崖のアクセントといった感じです。
でもここからだと灯台の存在感が大きいですね。

ここだけ草原で、遠くからの険しい印象とは別世界。
これが私のお気に入りの理由です。
暖かな日差しのもと草っぱらでお昼寝なんて最高のシチュエーションじゃないですか。

さて、いったん下りきって灯台を見上げてみます。

この頂上がゴール。
ひとっこ一人いないなか、孤独に、でも自分一人でこの場所を独占している満足感とともに足を進めます。

そして大瀬崎灯台に到着。

小さな灯台ですが、第二次世界大戦時には南方へ出征する兵士たちが最後に見た日本の風景だったとか。

たしかに、ここから見える景色は広大な東シナ海だけ。
そう思うとただの景勝地というだけではなく、感傷的にもなってしまいます。

静かな場所?

灯台に一番近い駐車場から片道徒歩15分ほどで到達するのですが、かなり下り続けるため帰りが登り続き。
しかも椿の密林のせいで薄暗い印象があるため、二の足を踏むかも。
これを嫌がる人もいるようで、人の気配はほぼなさそうです。

映画「悪人」のロケ地として有名で、コアなファンなら頑張って歩いてくるかもしれません。
まあ遠くから眺めるだけでも十分素晴らしい場所でありますし。

遊歩道は舗装されているのですが、ほぼ坂道なのでスニーカーとかが無難ですね。
街灯はもちろん無いので、日没を眺めたいなら懐中電灯は必須です。

海に沈む太陽をただ眺めているのは贅沢の極みです。
私はここからすぐ近くの玉の浦という集落に宿を取ったので、心おきなく灯台での1日を満喫しました。
民宿のご飯も地の魚中心で最高でしたし。

五島という離島のさらに端っこの徒歩でしか到達できないこの場所は、観光客の喧騒とは無縁の楽園です。
せっかく灯台の近くまで来たのなら、ちょっと頑張ってここまで歩いて来て、この広大な空間を独り占めして欲しいですね。

アクセス

灯台最寄りの駐車場まで、福江島の中心部から車で1時間ほどです。
駐車場からは徒歩15分程度。駐車場にトイレはあります。

公共交通機関だと、五島バスの大瀬崎口バス停から徒歩1時間ちょっとです。

五島バスの時刻表(2019年10月1日現在)だと、大瀬崎口を通過するバスは1日5往復(他に朝夜1便ずつあるみたい)。

大瀬崎口は玉の浦から大宝よりに2つ目のバス停です。

福江から1時間30分ほどかかるので、バス乗車だけで一仕事ですね。

バス停は大瀬崎への道が分岐する三叉路の付け根にあります。

(googleストリートビューより)

ちょっと引いてみるとこんな感じ。
黄色いマルがバス停。
手前が福江、奥が1kmほどで玉の浦、そして左手に伸びる坂道を4kmほど歩くと大瀬崎灯台です。

(googleストリートビューより)

0メートルからひたすら登りなので、1時間で行こうとするとちょっと疲れるかも。
おとなしくレンタカーが一番だと思うけれど、バス+徒歩は旅をしている感じはあるかなあ。