すむたび in 札幌:リトルスプーンのカレーを探して

リトルスプーン とは?

かつて道央を中心に席巻していた伝説のカレーチェーン店「リトルスプーン 」。
東北や関東にも進出していて、私もお気に入りのカレー店でした。
1999年に札幌で創業。

カレーチェーンはCoCo壱番屋が圧倒的シェアを占めていて、他には細々としたチェーン店があるか、牛丼チェーンがカレーを提供している程度。

CoCo壱番屋がオーソドックスなおうちカレーを洗練させてメニュー数も豊富であったのに対して、リトルスプーン はどろっとした家庭的なカレーでありながら、独特なスパイシーさが特徴でした。
ルーの見た目は帯広のカレーショップインデアンに似ているかなあ。

ノーマルなチキンカレーの価格はたしか300円台だったと思います。
トッピングがとんかつ、ハンバーグ、温野菜などあり、システムとしてはカレーショップC&Cみたいな感じですね。

店舗はカフェっぽい内装で、庶民的でごちゃっとしたCoCo壱番屋に比べると、カレーチェーンぽくない感じでした。

安くて美味しくてお店はおしゃれ。
非の打ちどころのないカレー・チェーンでした。

衰退と消滅

個人的にリトルスプーンは全国でも十分戦っていける味と価格競争力を持っていたと思います。
しかし、東北・関東への進出後、店舗数を減らし、あっという間に消滅してしまったのです。
飲食業界は厳しい世界で、ちょっとでも悪手を打つと衰退するのですが、ここもその例に漏れなかったようです。

リトルスプーンが関東進出を成し遂げたあと、経営母体であるオーヴ社は製造分野に専念するため、リトルスプーンの店舗運営を他社に譲渡します。
時は2007年、これが終わりの始まりとなるのです。

当初店舗運営を引き継いだのは店舗流通ネット社でした。
その後数社への譲渡と倒産を繰り返していきます。

その過程でカレーのルーの供給元がオーヴ社から、店舗運営会社オリジナル製造になります。
個人的にはこれが店舗消滅の決定打になったと思います。
当時の口コミを見ると、「これはかつてのリトルスプーンではない」という感想が多く、味の面で顧客が離れていったことが想像できます。

そして2012年、ついにリトルスプーンは力尽き、全店舗閉店という悲しい結果になったのです。
誕生からわずか13年。
晩年のグダグダぶりが本当に残念でならないです。

今でもリトルスプーンのカレーが食べられる!

個人的にチェーン界最高のカレーであるリトルスプーン 。
もう食べられないことはわかっていますが、それでもなんとかして味わいたい。

そんな無理な願いを叶えられる場所が札幌にあります。
それが札幌市にある「味処こめます 豊平本店」です。
リトルスプーン・マニアの間では有名なお店。

場所は地下鉄東豊線の学園前駅から徒歩3分

ショッピングセンター内の店舗ですので、駐車場も利用可能。
ただ、郊外のショッピングモールに比べると収容台数は少なめだと思います。

駐車場にそびえ立つ看板にはリトルちゃんのイラストが。

私は土曜日の開店10分後(1140AM)に入店したのですが、共用の駐車場は満車で、店内はすでに半分の席は埋まっている状態。
客層も家族連れ、学生、一人客など様々ですが、店員さんはテキパキ捌いています。

今回はとり天定食(税込850円)+ひとくちカレールー(税込200円)にしてみます。
カレールーはもちろんリトルのルー。

厨房の側の席なので、他のお客のオーダーが聞こえてきます。
カレーが人気ですが、スパカツもよく出ています。

広い店なので、すでに入っているお客も多いものの、注文した品は10分ほどで到着。

汁に塗れたしっとりとり天。
辛子もないし、大分県民と戦争不可避なとり天がやってきました。
でもこれはこれで美味しくいただきました。

そして、右上のカップに並々と入っているのがリトルスプーンのカレーです。
辛さは選べないけれど、今やここでしか食べられないんですよね。
じつに惜しいカレー遺産です。

こめますは結構混んでますが、さっさと食べて出ていくお客が多いのか、回転は早そうです。
北海学園のお膝元なので、味も量も学生向けな感じ。それがいいところ。

北海学園はニトリ会長の出身大学。
そして、TEAM NACSの皆さんもそうですね。

冷凍カレーはお手軽でおすすめ

札幌まで遠いよ!という方もいるでしょう。
私も札幌に用事でもない限り、わざわざカレーだけのために札幌までは行きません。

でも札幌まで出向かなくても通販でリトルスプーンのカレーは購入可能です。
それがリトルスプーンの冷凍カレー。

レトルトではなく冷凍であるのが特徴的で、レトルトと違って高温殺菌処理が不要のため、本来の味わいを維持することができるそうです。

私が購入しているのオンライン・ショップは北海道フロンティアファーム
楽天でも購入可能ですが、ここが一番安いんですよね。

5個/10個/40個から選べて、それぞれ1405円/2592円/9751円です。
1個あたりの価格はそれぞれ281円/259円/243円になりますね。
送料込みでも1食当たりとしてはリーズナブル。

10食入りを購入しましたが、クール便で到着しました。

緩衝材は必要かな?と思いつつ、ともあれ丁寧に梱包されています。

カチンコチンのカレールーが10個並んでいます。
一つあたりは180g。標準的な分量ですね。

辛さは中辛一択。
かわいらしいスプーンちゃんのイラストが懐かしくて泣けてきます。

裏面には原材料表記や調理方法など。
間違ってもこの袋のままレンジでチンしてはいけません。
湯煎で5〜6分する必要があります。

そして、温め完了。盛り付けてみました。

具材は鶏肉と玉ねぎ。
鶏肉はロットによって大きさにばらつきがあって、カップヌードルの謎肉サイズのものしかないものもあれば、そこそこ大きな塊があったりまちまちです。
玉ねぎはトロトロに煮崩れていて、ほとんど存在感なしです。

ドロドロでスパイシーな感じは私の覚えているリトルスプーンそのものです。
中辛とはいえスパイスは効いているので、辛いのが苦手な人は要注意です。
とはいえ中辛しか無いのですけど。

復活希望

冷凍カレーでも十分満足なんですけど、食べれば食べるほどお店で気軽に食べたいなあと。
ココイチに不満はないんですけど、やはり別の選択肢も欲しいんですよね。
安価で手軽に本格的な味となるとリトルスプーンは最高の選択肢でした。

単独の店舗が無理なら、吉野家でもかつやでもいいので、どこかのチェーン店のカレーをリトルスプーンのカレーにしてくれないかな?
そんなファンは結構な数いるはずです。