さて、乗船して案内所のあるフロアまで上ると、係の方に部屋の場所を教えてもらいます。
手すりのある細長い廊下を歩いていると、フェリーだなあと実感します。
手すりはもちろん揺れ対策。
そして扉もとても重い作りです。
これは最新のフェリーでも変わらないですね。
私の区画は上下合わせて2人分ですが、4人分のところもあり、2人分の狭い感じでちょっとラッキーです。
狭いところが好きなもので。。
今日はお客さんが少なく、同室には5人ほど。
みんな下段を指定されているようです。
電灯もあり、ついでにコンセントまで装備。
スマホ時代なので、これは重要設備ですね。
電気を消せばカーテンで遮光もできるのでぐっすり眠れます。
これが2等の雑魚寝との大きな違いで差額を払う価値があります。
船のエンジンの振動を背中に感じつつ、波によるローリングに身を任せてうとうとする。
これが船旅の醍醐味ですね。マニアックすぎると思うけれど。
さて、うとうとしているうちに出航してしまい、1時間以上経ってしまいました。
まだ晩ご飯を食べていなかったのでオートレストランに出向きます。
レストランっていっても自動販売機がずらっと並んだ休憩所なんですが。
価格は別に安くは無いんですよね。
これなら事前にコンビニで買ってきたほうが良いのですが、こういうものを利用するのも思い出思い出と思い込みつつカツサンド(550円)を購入。
うーむ、美味しいんだけど、セブンの温めるカツサンド(350円ぐらい)のほうが美味しい。
しかもボリュームがある。
でもいいのです。趣味の世界でコスパのことを考えるだけ野暮ってものです。
ほどよいコンパクトさと、落ち着いた照明。
何よりひとっこ一人いない。
フェリー全般にいえることですが、みんな早寝なので、夜遅い時間のパブリックスペースは実に居心地が良くなります。
この船も例外にあらず。
夜中にここで作業しつつ、まったりする。
この時間もフェリーでの好きな時間の使い方です。
眠くなってきたのでお風呂に入ろうかと思ったところ、営業時間が午後10時まで。
翌朝6時半まで入れないらしい。
結構厳しめの時間設定でした。
このフォントとか色使いに古さを感じます。
バブルでしたっけ、古き時代。
ベッドに戻りうつらうつらしていると、静けさで目が覚めます。
エンジンが止まっているようで、時刻は3:30。
八戸港に到着しているようです。
案内放送などはなし。
2等部屋は「八戸下船」組だけ固められていたので、個別に起こしに来るのかもしれませんね。
それにしても午前3時半に下船して、(まさか徒歩下船は無いと思うので)車の運転って、普通のドライバーでも職業ドライバーでも調子狂うのでは?
道は空いているので、相当距離は稼げそうですけどね。
またうつらうつらしていると、外の照明がちょっと明るくなり、時刻は6:30ごろ。
昨晩の22:00以降は減灯していたのでした。
乗船後初めて甲板に出てみます。
進行方向右手には険しい海岸線が見えます。
北山崎はもう過ぎてしまったと思うけれど、その南に続く海岸線であることは間違いなさそうです。
宮古港まであと1時間ちょっとというところ。
船内に各ポイントの通過時刻が貼ってあったので、おおよその位置はわかります。
昼行便の北行きなら楽しそうですね。
といってもこの記事を執筆している1週間後には休止なのですが。
やがて船内アナウンスが流れ、宮古港フェリーターミナルに到着です。
室蘭からおよそ11時間の船旅のゴールです。
車組は20分前ぐらいから車両甲板に戻らないといけないのですが、我々徒歩組はタラップが設置されるまで船内に留まります。
案内所に集まった徒歩乗船客は約10人。
普段からこれぐらいなのか、休止前だからこんなに集まったのかわかりませんが、船好きっぽい人が多い気がしました。
でも皆紳士で、静かにそれぞれの船旅や船を味わっている様子。
だからお別れ乗船特有の浮ついた感じはなくていい雰囲気でした。
さて、名残惜しいのですがお掃除部隊も待機中です。
下船いたしましょう。