コンテナホテルとは?
コンテナホテルって知ってますか?
文字通り、コンテナをそのままホテルの部屋にしている施設のことです。
コンテナの中には普通のビジネスホテルと同じく、バストイレ、ベッド、机などが設置されて、もちろんエアコンもあります。
コンテナホテルの利点は設置が迅速に出来ること。
元々は復興需要が旺盛でホテル不足が深刻な福島や宮城にコンテナホテルが多いのはこのような利点にあります。
また、ホテルを閉業した後の処理が容易で、場合によってはコンテナごと他の場所に持って行って別のホテルとして開業ができます。
外観はいかにもコンテナ!なものから、装飾を施してとてもコンテナを使用したとは思えないものまでさまざまです。
私が初めてコンテナホテルを知ったのは、福島の山の中を移動中。
離合も大変な県道沿い、突然2階建の大きなコンテナハウスが現れた時です。
(今思うとプレハブだったかもしれないのですが)
一体あれはなんだろう?と思っていたところ、道路沿いには「ビジネスホテル」の看板。
こんなビジネスホテル初めて見たし、一体誰が利用するんだろうと疑問に思っていました。
その後色々調べて、この種のホテルが東日本大震災の復興作業が行われている地域に多いこと。
そして、コンテナホテルという形状で次々に建てられていることを知りました。
とまあ長くなりましたが、この度そんなコンテナホテルに泊まることができたので記事にします。
フレンテ広野さんに泊まりました
今回泊まったのは、福島県広野町にあるフレンテ広野さん。
国道6号線沿いに位置し、JRの駅からも市街地からも離れた場所にポツンと佇むホテルです。
立地から、復興作業需要を当て込んだホテルだと思います。
偶然見つけたのですが、googleのストリートビューが面白いことになっていて、このホテル周辺の画像が新旧入り乱れています。
具体的にはホテル建設中と開業後、両方の画像が使用されているのです。
1枚目の写真でわかると思いますが、ホテルの材料はコンテナですね。
googleもわざと別々の画像にしたんでしょうね。遊び心のある会社ですから。
ところで、2枚目の写真の方が建物が増えている気がしますが、たぶん1枚目の水色の重機がある場所はコンテナではなくて、別の方法で建築したのかもしれません。
その部分はフロントと食堂なので、コンテナだと分割されて使い物にならないですからね。
ちなみに宿泊プランは週末(金土日)だと2食付き税込3900円からです(2019年4月現在)。
あまりに安すぎで心配になりましたが、この値段なら好みに合わなくても後悔することはないので泊まることに決めました。
構造・設備
客室は長い廊下の両側にコンテナ部屋を並べた構造で、それが3ユニット×2階建あります。
効率を最優先したそっけないレイアウトです。
各ユニットは渡り廊下(といってもとても短い)で結ばれていて、全部のユニットを雨に濡れず行き来できます。
2階のフロア図はこれですが、1階も食堂がフロントに入れ替わる以外ほぼこれのクローンですね。
元コンテナのシングルルームがどこまでも続いて壮観です。
「サブエントランス」がところどころあって、カードキーをかざすだけで出入りできて便利です。
ところどころに自動販売機がありますが、なぜかアルコール類が豊富に取り揃えています。
そして洗濯機も多めに設置。
長期滞在のお客さんも多いんでしょうね。
1階のフロントそばにはかなり広いロビーがあります。
ただし最近はやりのアメニティコーナーとか観光パンフレットとかはなく、ホテル特有の浮ついた感じはありません。
やはりここは仕事をする者のための宿泊施設。合宿所的な雰囲気に近いと思います。
もう一つの共有スペースは2階の食堂。
ロビーの真上になります。
これについては食事の項でしましょう。
お部屋
見た目はビジネスホテルの一室と変わりありません。
備品も普通に揃っています。
机の幅が小さく見えますが、50cmほどあるのでPC作業はまったく問題ありません。
ただ写真では判りづらいですが、バスタブが微妙に小さくて浅いのです。
バスタブの縁が幅広なので、もっと狭くしてスペースを確保できなかったのかなあと思うけれど、こういう仕様なんですかね?
私は湯船に浸かる習慣はないのでシャワーさえあれば十分ですが。
室内着は浴衣ではなく、使いやすい上下セパレートの甚兵衛みたいなの。
最近浴衣のところは減ってきましたかな?
私は浴衣が苦手なので歓迎ですが。
こういう構造、ホテルとしては珍しいかもしれないですね。
なんかホテルというより寮生活っぽくもあります。
コンテナを感じる時
という感じで、設備的にはコンテナである痕跡はまったく残っていません。
また、廊下や隣の部屋の物音も、意外と普通のホテルと大差ない聞こえ方に思えます。
なんだ、普通のホテルじゃないかぁ。。。
ところが、音は平気なんですけど、振動はけっこう伝わるんですよね。
普通のホテルではありえないほどに。
廊下をどすどす歩くと、部屋の中にもそれが伝わります。
震度1.5ぐらいかな。
歩くときは静かに気をつけねば。
あと、壁に強めにもたれかかると、「ミー」とも「キシィ」ともとれる軋み音がします。
これもコンテナ由来を強く感じたところですね。
食事
2食ともホテルで提供されるのですが、特徴的なのは時間。
夕食は17:30〜21:00、朝食は4:00〜8:30の提供です。
復興需要向けのホテルならではですが、現場の仕事の方が多いので、それに合わせているんだと思います。
にしても朝食の4時って、何時に現場集合なんでしょう?
夕食は食堂の入口にデジタルサイネージがあって、4種類のメインが表示されているので、そのなかから選びます。
私が泊まった日のメニューは、焼肉/海老フライ/マグロの刺身/ノドグロの煮付けでした。
これに小鉢や漬物がついて、ご飯と味噌汁はおかわり自由、というスタイル。
ペラペラのバラ肉を想像してたら、やたら分厚くて肉々しいのが登場。
たぶんステーキガストやけんのステーキより分厚いかもしれない。
私好みの赤身で美味しくいただきました。
あと味噌汁がファミレスにありがちな具材がスカスカのではなく、大根人参豆腐がこれでもかと入っているものでした。
ここの食事は1日の労働で腹ペコの兄さん達の食欲を満たすために開発されたのでしょう。
味もボリュームも素晴らしい。
他にも水やお茶やコーヒーはフリーサービス。
私は利用しなかったけど、ドリンクサーバー(ファミレスによくあるやつ)もありました。
アルコールや一品料理は有料だけど、少食で酒を飲まない私は基本のメニューだけで満足です。
常連さんを見ていると、このテレビを見ることのできるテーブルが人気みたい。
下膳口も近いからかな?
さて、朝食はバイキング形式です。
安めのビジネスホテルとドーミーインの間ぐらいの品揃えって感じですね。
和食も洋食もどっちでも完成できるおかず群でした。
他にも納豆やらパスタやらあるのですが、全部は食べきれないのでパス。
これだけの品数を朝4時にはスタンバイさせるのは大変だと思います。
あらかじめ準備するといっても3時には出勤しているのかなあ?
その考えると頭が上がりません。
ホテル周辺
広野町の外れにあり、中心部まで2km以上あります。
徒歩圏内での買い物ではローソンが1分でいけます。
ホテルからもこの通り見えています。
道路を横断する必要がありますが、交通量が多くて70〜80km巡行なので、注意する必要がありますね。
田舎住まいの人なら分かると思うけれど、ドライバーは歩行者がいるなんて想像しないのですよ。
ローソンは全国と同じローソンで何の変哲もありません。
でも、見知らぬ土地のコンビニってなぜか立ち寄りたくなるんですよね。
コンビニ以外は車で移動になりますが、そもそもこのホテルに車以外でくる人っているのかな?
最寄の大きな街といえばいわきですが、30分はかかります。
ちょっと気軽にって距離じゃないですよね。
まとめ
このブログのタイトルから分かる通り、私は住むような旅を好みます。
となると、生活感のある滞在型ホテルを選ぶことになります。
沖縄に滞在したときのコンドミニアム型ホテルなんてその典型ですね。
今回滞在したホテルも滞在型ホテルの一種で、客室こそ平凡なビジネスホテルのシングルルームと同じですが、それ以外は余分なサービスを削ぎ落とした理想的なホテルでした。
あと、食事が寮生活をしている感じで、個人的にこういうのがいいんですよね。
コンテナホテルは初めての経験ですが、振動は考えもしなかったです。
他にもコンテナホテルは全国にあるようなので、別のところも試してみようかなと。
神経質な人ならこの振動はNGだと思いますが、私は逆に興味が出てしまいました。